野間埼灯台のプロフィール

野間埼灯台は大正10年3月1日に初点灯した愛知県で一番古い灯台です。当時の最新技術だったコンクリートで造られ、100年を経た今でも輝き続けています。初点灯の少し前に名古屋港の改修工事が完成し、大型船が伊勢湾を航行するようになりました。野間埼灯台は、そうした船を名古屋港へ導いたり、外洋へ送り出したりする役割を担ってきました。戦後、中京工業地帯の発展により名古屋港は日本一の貿易港となりました。野間埼灯台は輸出で外貨を稼ぎ、成長をする日本経済を見守ってきた灯台です。また、平成に入った頃からは恋人たちが南京錠を掛けるスポットになりました。今では、ウエディングフォトの撮影地として大人気です。現在の野間埼灯台はカップルの未来を照らし、幸せを導く灯台にもなっています。

野間埼灯台の基本情報

名称

野間埼灯台 Nomasaki

航路標識番号

2632

位置

北緯34度45分28秒 東経136度50分40秒

所在地

愛知県知多郡美浜町小野浦岩成20-1

塗色

白色

構造

塔形コンクリート造

レンズ

LED灯器V型

灯質

等明暗白光 明3秒暗3秒

実効光度

590カンデラ

光達距離

8.0海里(約15km)

明弧

326度から164度まで

塔高

18m(地上-塔頂)

灯火標高

20m(平均海面-灯火)

初点灯

1921年(大正10年)3月1日

管轄

第四管区海上保安本部 名古屋海上保安部

野間埼灯台の年表

1921(大正10年)

野間埼灯台3月1日完成、初点灯

1926(大正15年)

光源がアセチレンランプから白熱電球に変更

1942(昭和17年)

戦争のため減光、消灯などを行う

1946(昭和21年)

食糧不足のため灯台周辺の土地を開墾し、菜園とする

1948(昭和23年)

海上保安庁発足。以後、海上保安庁が灯台の管理を行う

1951(昭和26年)

30周年記念式典の開催

1953(昭和28年)

航路標識事務所制発足、野間埼航路標識事務所設置

1959(昭和34年)

伊勢湾台風で階段の一部と官舎の屋根が破損

1983(昭和58年)

老朽度・耐震性の調査工事が行われる

1984(昭和59年)

野間埼航路標識事務所が師崎航路標識事務所に統合、官舎は残る

1989(平成元年)

無人化し、官舎を取り壊す。灯台の周りにフェンスができる

1991(平成3年)

官舎跡地が公園になる。このころからフェンスに南京錠がかけ始められる

1997(平成9年)

フェンスの南京錠がメディアに取り上げられる

1998(平成10年)

南京錠の重みでフェンスが倒れかけたため、強固で南京錠を抜き取りやすい現在のフェンスに建て替えられる

1999(平成11年)

耐震補強のため灯塔部に炭素繊維を巻きつける工事を施す

2008(平成20年)

灯器が白熱電球からLEDに変更。フレネルレンズ撤去

2011(平成23年)

灯台前公園に南京錠をかけるためのモニュメント「絆の音色」を設置

2012(平成24年)

灯台前公園に「絆の鐘」を設置。野間灯台をモチーフにしたキャラクター「のまっキー」誕生

2018(平成30年)

夜間のライトアップ開始

2020(令和2年)

補修工事(ペンキ塗り替え)

2021(令和3年)

100周年記念イベント開催。100年誌作成

2022(令和4年)

登録有形文化財に指定。フレネルレンズ里帰り。航路標識協力団体指定として美浜まちラボが管理を請け負う

野間埼灯台の特徴

日本最古のフレネルレンズ

日本最古のフレネルレンズ

昔は灯台の明かりを強くするためにフレネルレンズが使われていました。このレンズは日本光機という会社の製造で、国産としては最も古い物の一つです。

今はLEDで太陽光パネルの電力

今はLEDで太陽光パネルの電力

現在はLEDの明かりに変わっています。LEDは消費電力が少ないので、太陽光パネルで発電した電力だけで十分です。よって、外部から電源は引いていません。

戦時中は上の部分を黒く塗っていた

戦時中は上の部分を黒く塗っていた

戦時中は、船の安全な航行を妨害するために灯台は敵の攻撃対象になりました。野間埼灯台は上を暗い色に塗って目立たないようにしていました。

無筋コンクリート造り

無筋コンクリート造り

野間崎灯台は無筋コンクリート造りという構造で、コンクリート内に鉄筋が入っていません。そのため強度を出すように分厚い壁になっています

愛知県最古の灯台

愛知県最古の灯台

灯台入口に銘板には「大正十年三月一日 初点灯 野間埼灯台」と刻まれており、愛知県最古の灯台であることを示しています。

灯台をバックに夕日が落ちる

灯台をバックに夕日が落ちる

夕暮れの野間埼灯台はまさに絶景です。夕日を背にシルエットとなった灯台とオレンジ色に光る海を撮影しようと多くのカメラマンがやって来ます。

昔は官舎があり、灯台守がいた

昔は官舎があり、灯台守がいた

野間埼灯台には昭和59年まで灯台守さんがいました。灯台守さんは、家族とともに官舎に住み、子供たちは野間小や野間中に通っていました。

昔はガス灯だった

昔はガス灯だった

最初、灯台の明かりはアセチレンガスを燃やすガス灯でした。ガスを燃やすため、最上階の壁には通気口が付けられています。

登録有形文化財として任命

登録有形文化財として任命

100年以上前のもので、無筋コンクリートという珍しい構造、そして今も現役で使っていること等が評価され、令和4年、登録有形文化財に指定されました。

国道沿いに建っている

国道沿いに建っている

灯台は岬の先端などに立っていることが多いのですが、野間埼灯台は国道沿いにあります。日本に3000基以上ある灯台の中でもアクセスの良さは抜群です。

恋人達の聖地、南京錠で有名

恋人達の聖地、南京錠で有名

1990年代半ばごろから、灯台の柵に南京錠が掛けられるようになりました。今は「絆の音色」というモニュメントに南京錠を掛けることになっています。

山の上ではなく海抜2mに建立

山の上ではなく海抜2mに建立

灯台の光は高い所にある方が海から見やすいのですが、野間埼灯台は海抜の低い場所にあるため、山の上にある灯台より塔が高くなっています。

南京錠を溶かして造った鐘がある

南京錠を溶かして造った鐘がある

「絆の音色」に掛けられた南京錠を取り外した際、そのまま捨ててしまうのは惜しいと、南京錠を溶かして鋳造し直したのが「絆の鐘」です

交通アクセス

電車でのアクセス

名鉄「名古屋」駅から、名鉄知多新線「野間」駅で巡回ミニバスに乗換え、西部コース「野間灯台」下車。

車でのアクセス

南知多道路、美浜ICから20分

駐車場は近隣の有料駐車場をご利用ください。

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